よく練られた骨太な作品  『恋愛裁判』
©2025「恋愛裁判」製作委員会

推薦者・立花珠樹

 深田晃司監督『恋愛裁判』は、アイドルの交際をめぐって実際にあった裁判などを基にして、アイドルグループのメンバーである若い女性が、さまざまな現実の壁にぶつかりながら、自分の生き方を見つけていく映画だ。
 発案から完成まで約10年。長期間の取材を経て監督自らが書いた脚本が、とてもよく練り上げられており、筆者のようなアイドル文化に詳しくない観客も楽しめる骨太な娯楽映画になっている。
 ヒロインを演じた齊藤京子は、日向坂46の元メンバー。彼女以外にも、アイドルグループの現役メンバーらが出演していることもあって、映画の中のコンサートシーンや握手会、練習風景や合宿生活などにリアリティーがあり、ドキュメンタリー映画のようにも楽しめた。
 「恋愛禁止ルール」に違反したヒロインが事務所から損害賠償訴訟を起こされる後半も、業界や特定の個人を悪と決めつける単純な図式にせずに、ヒロインの葛藤に寄り添うように描いたことで、アイドルの世界の枠を超えた普遍的な青春ドラマになった。
 ラストに今の時代や個人としての生き方に対する、監督の思いが伝わってくるようなメッセージがある。深く共感し、快哉を叫びたくなった。映画館の呼び込みのようになってしまうが、ぜひ、自分で確かめてほしい。

1月23日(金)全国公開
配給:東宝