NEW! メンバーズチョイス 予期せぬ再会から始まるサスペンス『シンプル・アクシデント/偶然』 推薦者・佐藤結 カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞 3月以来、「イラン」という国の名前を毎日見聞きしている。それ以前のことを思い出すと、映画ファンにとってのイランは、アッバス・キアロスタミやモフセン・マフマルバフ、最近であればアスガー・ファルハディ、そして今作を手がけたジャファル・パナヒといった監督たちの国と...
トップ 人生の価値を示す感動作『サンキュー、チャック!』 推薦人:遠藤京子 人生の価値を示す感動作『サンキュー、チャック!』 スティーヴン・キングの中編『The Life of Chuck』(邦題は『チャックの数奇な人生 イフ・イット・ブリーズ』(長い!)(文藝春秋刊))の映画化。アメリカの地方都市、英語(つまり国語)の授業でホイットマン『草の葉』の朗読中、教師のマーティー...
メンバーズチョイス 『ソング・サング・ブルー』 ブルーな歌も爽やかに 推薦者:石津文子 Ayako Ishizu ヒュー・ジャックマンとケイト・ハドソンの芸達者ぶり 同名の2008年のドキュメンタリー映画をもとに、音楽への愛で結ばれた夫婦バンドの波乱の軌跡を描く。舞台は1980年代終わりから90年代にかけての米ウィスコンシン州ミルウォーキー。ベトナム帰還兵のマイクは鬱屈を抱えつつ修理工を...
メンバーズチョイス 必見のケン・ローチ監督引退作『オールド・オーク』 推薦者:遠藤京子 「慈善ではなく連帯」住民が親しんできたパブ、オールド・オークで培われること 女性だからといって困窮した女性の気持ちがわかるとは限らない。権力や金に目が眩んだような女性もいるし、困窮女性の気持ちに寄り添える男性もいる。ノンバイナリだって行動次第だ。サッチャー元首相は女性だが、99%の生活を貧しくする新自...
メンバーズチョイス 子どもたちの笑顔を当たり前だと思ってはいけない「ハムネット」 推薦者・立花珠樹 「ノマドランド」(2021年)で米アカデミー賞作品賞、監督賞などを受賞したクロエ・ジャオ監督の新作「ハムネット」は、劇作家ウィリアム・シェークスピア(1564~1616年)の最高傑作といわれる悲劇「ハムレット」が誕生する背景にあった家族のドラマを、静かに力強く描いた映画だ。 原作はアイルランドの作...
メンバーズチョイス 少女たちの幻影を追い求めたふしぎな映像詩『落下音』 推薦者・田中千世子 北ドイツのある館を舞台にした4つの時代の物語 少女と姉妹と母と祖母、曾祖母、それから女の使用人たちがいて、父や祖父、男兄弟に男の使用人たちも暮らす北ドイツの小地主(あるいは大規模自作農)階級の館を舞台に展開する4つの時代の物語である。だが、年代記ものと違って、すこぶる前衛芸術。少女たちの幻影を追い...
メンバーズチョイス 女性虐待の黒歴史を背景にした人間ドラマ『決断するとき』 推薦者:遠藤京子 主人公のビルは石炭商で、アイルランドの地方都市で妻と5人の娘と貧しいながらも幸福に暮らしている。しかし最重要顧客である修道院の施設で、少女が虐待されているのを目の当たりにしてしまう。ビルは少女を助け出さなくていいのか悩む。 キリスト教国では教会や修道院は絶大な権力を持っていたし、いまでも少なからぬ影響...
メンバーズチョイス 憎みきれないろくでなし『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』 推薦人:まつかわゆま ティモシー・シャラメが実在の卓球チャンピオンに 24年はボブ・ディランの完コピでオスカー主演男優にノミネートされ、受賞すれば史上最年少タイ!と話題になったティモシー・シャラメ。続く今年も主演男優賞にノミネートされ、30歳で3回の主演男優ノミネートはマーロン・ブランドと並んだ!と騒がれている。男優賞...
メンバーズチョイス 柄本明&西本竜樹の全国巡演朗読劇の記録 『今は昔、栄養映画館の旅』 推薦者・立花珠樹 若い頃、全国の競馬場とジャズ喫茶と名画座を制覇したいと夢見ていた。結局、何一つ果たせず齢を重ねてしまったが、今でも、心が騒ぐ時がある。 なぜ、そうした場所に引きつけられるのだろう? 映画館については、竹田正明監督『今は昔、栄養映画館の旅』に、一つの答えがある。劇団東京乾電池の柄本明と西本竜樹が、202...
メンバーズチョイス パク・チャヌク印の乾いたブラックコメディ『しあわせな選択』 推薦者・佐藤結 一作ごとに円熟味を増すパク・チャヌク監督がドナルド・E・ウェストレイクの小説『斧』を映画化。長年勤めた製紙工場をリストラになった男が再就職のライバルと目した相手を次々と殺していくという残酷な物語を乾いたタッチのブラックコメディとして完成させた。 主人公夫婦役に、韓国を代表するスター俳優イ・ビョンホン、ソ...