NEW! トップ 怪談に着想を得た記憶の物語『ユースフル・ゴースト』 推薦者・佐藤結 最愛の妻の魂が掃除機に宿る タイでは知らない人のないほど有名な“怪談”を出発点にしたスタイリッシュでコミカルなホラーから、歴史を「忘れない」ことの意味を考えさせるドラマへと変奏していくユニークなタイ映画。 最愛の妻ナットが出産時に命を落としてしまった痛手から立ち直ることのできないマーチ。しかし、ナッ...
NEW! トップ 『急に具合が悪くなる』と齋藤敦子さんのこと 推薦者・関口裕子 映画とは対話なのだ。 濱口竜介監督の『急に具合が悪くなる』を見ている中、私はずっと抱えていたテーマと、映画を介して対話している自分に気づいた。 『急に具合が悪くなる』の主人公は、2人の女性。パリ郊外の介護施設の施設長として理想の介護のあり方を模索するマリー=ルー(ヴィルジニー・エフィラ)と、精神病院の...
メンバーズチョイス スカーレット・ヨハンソンの初監督作『エレノアってグレイト。』 推薦者:飯島一次 スカーレット・ヨハンソンの初監督作品は現代のニューヨークが舞台で明るいユーモアに包まれているが、背後にはナチスのホロコーストが影を落とす。 昔から仲良しのエレノアとベッシー、それぞれの夫を亡くし、高齢者となったので、ふたり一緒に暮らしている。陽気でおしゃべりで調子のいいエレノアと寡黙で生真面目なベッシ...
メンバーズチョイス 何のために死者を蘇らせるのか 『箱の中の羊』 推薦者:立花珠樹 「遠くない未来」の神奈川県南部。2年前に一人息子を亡くした夫婦が、写真や動画を基に作成された「息子と生き写しのヒューマノイド」を無償で提供される。 是枝裕和監督の新作「箱の中の羊」は、ここから始まる物語だ。感動する妻と対照的に夫は機械と軽視するが、次第に気持ちが変化していく。そして、息子の死の経緯や、...
メンバーズチョイス 不完全だからこそ人間的な感動が生まれる――『アダムの原罪』 推薦者:遠藤京子 忙しく働く看護師は母親に共感するが… ここに書かれているのは“美談”ではない。 主人公は小児科病棟で忙しく働く看護婦ルシー(レア・ドリュッケール)。栄養失調で骨折したアダムに食事を摂らせるのに苦労している。というのも母親のレベッカ(『あのこと』主演のアナマリア・ヴァルトロメイ)が偏った食事しか摂ら...
メンバーズチョイス 予期せぬ再会から始まるサスペンス『シンプル・アクシデント/偶然』 推薦者・佐藤結 カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞 3月以来、「イラン」という国の名前を毎日見聞きしている。それ以前のことを思い出すと、映画ファンにとってのイランは、アッバス・キアロスタミやモフセン・マフマルバフ、最近であればアスガー・ファルハディ、そして今作を手がけたジャファル・パナヒといった監督たちの国と...
メンバーズチョイス 人生の価値を示す感動作『サンキュー、チャック!』 推薦人:遠藤京子 人生の価値を示す感動作『サンキュー、チャック!』 スティーヴン・キングの中編『The Life of Chuck』(邦題は『チャックの数奇な人生 イフ・イット・ブリーズ』(長い!)(文藝春秋刊))の映画化。アメリカの地方都市、英語(つまり国語)の授業でホイットマン『草の葉』の朗読中、教師のマーテ...
メンバーズチョイス 『ソング・サング・ブルー』 ブルーな歌も爽やかに 推薦者:石津文子 Ayako Ishizu ヒュー・ジャックマンとケイト・ハドソンの芸達者ぶり 同名の2008年のドキュメンタリー映画をもとに、音楽への愛で結ばれた夫婦バンドの波乱の軌跡を描く。舞台は1980年代終わりから90年代にかけての米ウィスコンシン州ミルウォーキー。ベトナム帰還兵のマイクは鬱屈を抱えつつ修理工を...
メンバーズチョイス 必見のケン・ローチ監督引退作『オールド・オーク』 推薦者:遠藤京子 「慈善ではなく連帯」住民が親しんできたパブ、オールド・オークで培われること 女性だからといって困窮した女性の気持ちがわかるとは限らない。権力や金に目が眩んだような女性もいるし、困窮女性の気持ちに寄り添える男性もいる。ノンバイナリだって行動次第だ。サッチャー元首相は女性だが、99%の生活を貧しくする新...
メンバーズチョイス 子どもたちの笑顔を当たり前だと思ってはいけない「ハムネット」 推薦者・立花珠樹 「ノマドランド」(2021年)で米アカデミー賞作品賞、監督賞などを受賞したクロエ・ジャオ監督の新作「ハムネット」は、劇作家ウィリアム・シェークスピア(1564~1616年)の最高傑作といわれる悲劇「ハムレット」が誕生する背景にあった家族のドラマを、静かに力強く描いた映画だ。 原作はアイルランドの作...