メンバーズチョイス 憎みきれないろくでなし『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』 推薦人:まつかわゆま ティモシー・シャラメが実在の卓球チャンピオンに 24年はボブ・ディランの完コピでオスカー主演男優にノミネートされ、受賞すれば史上最年少タイ!と話題になったティモシー・シャラメ。続く今年も主演男優賞にノミネートされ、30歳で3回の主演男優ノミネートはマーロン・ブランドと並んだ!と騒がれている。男優賞...
トピックス 次の10年、映画監督はどう生き抜くか?日本映画監督協会90周年シンポ 報告者・立花珠樹 日本映画監督協会の創立90周年イベントが2月26日、東京・半蔵門のベルサール半蔵門で開催された。 同協会の歴史は、1936(昭和11)年2月25日、二・二六事件勃発の前日、初代理事長となる村田實はじめ、伊丹万作、衣笠貞之助ら5人の映画監督が神田駿河台に集まり、設立を決定したことから始まった、直...
メンバーズチョイス 柄本明&西本竜樹の全国巡演朗読劇の記録 『今は昔、栄養映画館の旅』 推薦者・立花珠樹 若い頃、全国の競馬場とジャズ喫茶と名画座を制覇したいと夢見ていた。結局、何一つ果たせず齢を重ねてしまったが、今でも、心が騒ぐ時がある。 なぜ、そうした場所に引きつけられるのだろう? 映画館については、竹田正明監督『今は昔、栄養映画館の旅』に、一つの答えがある。劇団東京乾電池の柄本明と西本竜樹が、202...
メンバーズチョイス パク・チャヌク印の乾いたブラックコメディ『しあわせな選択』 推薦者・佐藤結 一作ごとに円熟味を増すパク・チャヌク監督がドナルド・E・ウェストレイクの小説『斧』を映画化。長年勤めた製紙工場をリストラになった男が再就職のライバルと目した相手を次々と殺していくという残酷な物語を乾いたタッチのブラックコメディとして完成させた。 主人公夫婦役に、韓国を代表するスター俳優イ・ビョンホン、ソ...
メンバーズチョイス 血まみれ果し合いの真相に迫る 『木挽町のあだ討ち』 推薦者・森田健司 昨年公開された映画のヒット作は興行収入200億円を記録した「国宝」。現代の歌舞伎の世界を舞台にしている。 一方、この「木挽町のあだ討ち」は江戸時代後期が舞台。歌舞伎小屋の人間模様から、仇討ちのミステリーを解く手法だ。筆者は時代劇が好きなので、こちらのほうが味わい深い。というか、しっくりくる。 文化7(...
メンバーズチョイス 『センチメンタル・バリュー』父帰る。姉、怒る。妹、惑う。 推薦人:まつかわゆま カンヌ映画祭でグランプリ受賞。パルムの声も高かった 25年のカンヌ映画祭でグランプリを獲得したデンマーク人ヨアキム・トリアー監督作品(ノルウェイの作品だが)。プレスの評判も大変よく、ジャファール・パナヒ監督がカンヌ入りしていなければパルム・ドールを受賞してもおかしくなかったと思う。とてもよく書き込...
メンバーズチョイス 鬼才たちによる環境ブラックコメディ『ブゴニア』 推薦者・遠藤京子 03年の韓国映画『地球を守れ!』のリメイク。監督は『哀れなるものたち』のヨルゴス・ランティモス。プロデュースはアリ・アスターやアスターに『ミッドサマー』を撮らせたラース・クヌードセンら唯一無二の映画の作り手たちが名を連ねる誘拐サスペンスだ。 主人公はアメリカの地方都市で製薬会社の配送部で働いているテ...
メンバーズチョイス アウシュヴィッツを訪ねた父と娘。「人間を焼くにおいがしない」とは? 『旅の終わりのたからもの』 推薦者・田中千世子 民族や共同体が受けた過去の過酷な出来事が「集団の記憶」となって現在の非人道的な行為の正統性を主張する。その誤謬が今日では問題になっているが、本作はまぐれもなく個人の記憶に立脚した個人の物語として完結している。その意味は大きい。 1991年のポーランド。社会主義体制が崩壊し、自由主義へと移り変わっ...
メンバーズチョイス 認知症を患った大女優の苦悩と美しき友情『喝采』 推薦者・渡辺祥子 ブロードウェイの大女優、リリアン・ホールがチェーホフの名作『桜の園』の舞台の初日を目前にして台詞が出てこない恐怖に直面する。台詞を忘れ、新たな台詞がおぼえられない。医師の診察を受けてその理由が判明した。認知症……。 そんな始まり。ある程度の年代になれば誰もが心の片隅に抱えるに違いない不安がここにある。...
メンバーズチョイス よく練られた骨太な作品 『恋愛裁判』 推薦者・立花珠樹 深田晃司監督『恋愛裁判』は、アイドルの交際をめぐって実際にあった裁判などを基にして、アイドルグループのメンバーである若い女性が、さまざまな現実の壁にぶつかりながら、自分の生き方を見つけていく映画だ。 発案から完成まで約10年。長期間の取材を経て監督自らが書いた脚本が、とてもよく練り上げられており、...