日本と台湾の関係をユニークに見せるドキュメンタリー『軍服を着た神様』
©2025 SANSARO FILM LLC

推薦者:佐藤結

彷徨う魂を祀った台湾の人々

 「台湾に神様になった日本人がいる」という文化人類学者・藤野陽平さんの言葉に誘われ、カメラを持って現地に向かった遠藤協監督。そこで目にしたのは、縁あってその地を漂っていた日本人の魂を神として祀る台湾の人々の姿だった。

 レイテ沖海戦中に亡くなった軍人・樋口勝を弔った卒塔婆が流れついた龍安寺、米軍との戦闘中に墜落したパイロット杉浦茂峰を祀った飛虎将軍廟など、それぞれの神様の由来をたどっていくと、長きにわたって台湾を支配下に置いた日本との関係が浮かび上がる。また、日本人であろうと、軍人であろうと、「亡霊」であれば、祀ってしずめないといけないという台湾の人々の信仰のあり方も興味深い。

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神様とともに生きる

 さらにこのドキュメンタリーがユニークなのは、それぞれの神を今も熱心に守る人々のエピソードにも丁寧に目を向けている点だ。彼女ら彼らは、なぜその地で日本人の神様とともに生きているのか。「歴史」や「謝罪」といった頭でっかちの思考を軽やかに越えていく、真剣でエネルギーにあふれた物語のひとつひとつが、とにかく、おもしろい。

『軍服を着た神様』
8月1日(土)よりポレポレ東中野ほか全国順次公開
監督:遠藤協
旅人:藤野陽平
配給:三叉路フィルム